こんにちは、ネコリテです。
今回は私の大好きなペトログリフの聖地、熊本県阿蘇郡にある押戸石の丘をレポートします。
押戸石(おしといし)の丘の基本情報
押戸石の丘とは?
押戸石の丘とは、丘の上に巨石が並ぶ絶景スポットです。
阿蘇の雄大な景色が眺められ、映画「進撃の巨人」のロケ地としても知られています。
そして古代史・巨石文化・ペトログリフがお好きな方にとっては、テンション爆上がりの聖地でもあります。
★ペトログリフ=石に刻まれた古代の文字や絵
押戸石の丘の「成り立ち」として考えられている説はこちら。
【7300年前】
縄文時代の中期頃に、鬼界カルデラ大噴火(鬼界アカホヤ噴火)が起こる。
鹿児島の南100kmにある海底火山の大爆発により、
九州~西日本にかけて壊滅的なダメージを受ける。
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【6500年くらい前】
古代海洋民族ラピュタ人が日本にやって来て、
阿蘇山の火山活動を鎮める儀式を行う。
その祭祀場として押戸石の丘に巨石を陳列する
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【6000年くらい前】
北極星として「りゅう座」のツバンが見え始める。
(それ以前は北極星の出現がない時代。現在はこぐま座のポラリスが北極星)
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【4000年くらい前】
シュメール人、フェニキュア人、ケルト人など、
様々な古代民族が押戸石の丘へたどり着き、長い間祭祀場として使う。
そのため、各民族の神様が祀られている。
これらの説は火山灰の地層や天文学による年代測定、さらに一つの祭祀場から異なる信仰の痕跡が見られたことによって導き出されたものになります。
訪問前にToland VlogさんのYouTubeで予習をしておくと、古代ロマンにどっぷり浸ることができておすすめです♪
アクセスと駐車場
【押戸石の丘】熊本県阿蘇郡南小国町中原511
カーナビに詳細が出てこない場合は、Googleマップの「押戸石の丘」で検索すると出てきます。
マゼノミステリーロード(阿蘇・南小国地区農免農道)から小道に入り、
狭い道を5分ほど進みます。
道中に看板があるので、迷うことなく到着できました。
駐車場のスペースは十数台分ほど。
11月平日の昼頃に訪問し、誰もいないかと思っていましたが、数台の車が駐車していました。
駐車場にはトイレもありました。
駐車後に、受付で入場料大人一人200円を支払うと、パンフレットと貸出用のコンパスが渡されます。
このコンパスは、巨石周辺で発生する磁気異常を確認するためのもので、この磁気チェックがめちゃくちゃ楽しかったです♪
マゼノミステリーロードは冬季通行止めになるので、詳しい情報は阿蘇市の公式HPでチェックしてね!
いざ巨石群へ!
丘の上にある巨石群まで、遊歩道を5分くらい登ります。
メインとなる巨石は4つ。
- はさみ石
- 鏡石 ★ペトログリフ
- 祭壇石
- 押戸石(頂上石)★磁気異常
丘に到着すると、はさみ石→鏡石→祭壇石→押戸石の順に並んでいます。
この4つ以外にも多くの巨石が点在していますが、メインの石には看板が設置されているので、見つけやすいと思います。
特に見所は「鏡石=ペトログリフ」 「押戸石=磁気異常」です。
他の巨石にもパンフレットには載っていないペトログリフや磁気異常があるので、現地で探してみるのも楽しいですよ♪
\私のペトログリフ入門書/
【はさみ石】悪人は通れない!?
夏至の日に、石の隙間から太陽が差し込むという、緻密に計算されたはさみ石。
はさみ石の隙間を「不浄の身で通ると気絶する」 「嘘つきが通ると挟まれる」といった言い伝えがあるそうで、私も試してみました。
無事に通過できたので、善良な人間であることが証明されました。笑
石と石の間には、祭祀において重要なミリ波と呼ばれる波動が流れているとされ、これは神社で行う「ミニ鳥居くぐり」などの風習とも共通する考え方です。
ミリ波は波長が1〜10mm、周波数が30〜300GHzの電波の一種で、古代の人々はこのはさみ石のように自然の石を使ってミリ波を浴びていたとされています。
【鏡石】ペトログリフを見つけよう
ついにペトログリフが刻まれた鏡石とご対面!
行かれた方のブログを拝見すると「どれが文字かよくわからない」という感想が多かったので、しっかりと予習して挑みました。
パンフレットで紹介されていたペトリグリフは、シュメール古拙文字の「蛇神」と「雄牛神」。
下の写真にその2つが写っていますが、わかりますか?
これで発見できた方は、考古学の才能があると思います!
では拡大して、ヒントを出しますね。
指でさしている所に「蛇神」、その左に「聖なる牡牛」が刻まれています。
どうでしょうか、見つけられましたか?
正解はこちらです。
現地では最初にクワガタムシのような雄牛神を見つけて、その右にある線が蛇神、という順番が見つけやすいです。
そして「バアル」だの「ナーガ」だの、横文字は覚えにくく、どっちが牛?蛇?と混乱しますよね。(私がそうでした)
簡単に覚える方法は、
【バアル】シカゴブルズやレッドブルなどの雄牛ブル
【ナーガ】長い蛇
これで区別がつきました。
ちなみにこの辺りの地名は中原(なかばる)といい、「ナーガ」と「バアル」が語源という説があります。
九州では「原」を「ばる」と読む地名が多く、西都原(さいとばる)や前原(まえばる)、人名の東国原(ひがしこくばる)さんなど、バアル神(雄牛神)が由来しているのかもしれません。
「ばる」だけではなく、押戸石の周辺にはヘブライ語に由来しているとされる地名が多く存在するようです。
- 湯田天神 ゆだ=ユダ
- 矢壁 やかべ=ヤコブ
こじつけかもしれないけど(笑)、遺跡から読み解くとあり得る話でもあり、そんな古代ロマンに思いを馳せるのがとても楽しいです。
鏡石には、実は「雄牛神」と「蛇神」以外に2つの文字も刻まれています。
それが黄色の枠で囲んだ「X 奉る」と「ヒ 大地の女神」です。
つまり鏡石には、4文字で1セットの文章が書かれていることになります。
「蛇神ナーガを信仰する民と、雄牛神バアルを信仰する民がこの地にやって来て、大地の女神を奉る」
という意味になるそうです。
【祭壇石】盃状穴に注目
祭壇石は供物を置いて祀る祭器と考えられており、見事な盃状穴(はいじょうけつ)が彫られています。
盃状穴は石に彫られた盃(さかずき)のような穴のことだよ。詳しい用途はわからないけど、祭祀で使われていたという説があるよ。
★宮崎県延岡市で見つけた盃状穴はコチラ
祭壇石には3つの盃状穴があり、それらは3本の線で結ばれています。
その形状が、奈良県明日香村の岡本宮にある酒船石に似ており、酒船石のもとになった型では?と考えられています。
ちなみに岡本宮を建てたのは斉明天皇。
祭壇石を拝する位置に立つと、その先には福岡県にある斉明天皇の御陵があるという、不思議なつながりがあります。
【押戸石】頂上に鎮座する神秘の石
押戸石(別名 頂上石)は、ピラミッドのように尖った形が特徴。
正面を阿蘇の噴火口に向けていることから、当時の活発な火山活動を鎮めるために、この祭祀場が作られたと考えられています。
押戸石の丘では数千年の間、いろいろな民族が祭祀場として使っていたことが、ペトログリフから推測されています。
蛇神ナーガを信仰する民族がいた時代、それまで見えなかった北極星が現れました。
蛇神ナーガを信仰する人々は、この地からナーガが宇宙へ昇り、北極星(ツバン)の周囲に「りゅう座」として姿を現したと信じていました。
※ツバンは「りゅう座」のしっぽの先端にある星
そのため彼らが信仰していた最高神「天神アン」が龍に乗って現れるという思想は、ここから来ていると推測されます。
押戸石の裏側の基底部には、鬼門の方向を向いた宇宙神ベルのペトログリフがあり、そちらは石工系の民族(ケルト人)が彫ったものと考えられています。
※宇宙神ベルは冶金や石工など技術の神様
押戸石の名物!くるくる回る方位磁針
押戸石の丘がパワースポットと呼ばれる理由の一つに、巨石付近で見られる磁気異常があります。
方位磁針が狂うのは、石自体が磁気を帯びているわけではありません。
もし磁石であれば、方位磁針は狂うのではなく、石にピタッと引き寄せられてしまうからです。
この磁気異常は、地球から宇宙へエネルギーが強く放出される波動が存在しているためだと考えられています。
私は現実主義者なので、「波動」という言葉にはスピ的な怪しさを感じてしまうのですが(笑)、エンタメとして古代の世界観を楽しんでいます。
古代の人々はその波動からエネルギーを感じ取り、「宇宙とつながる」「神と交信する」といった思想を抱き、この地を祭祀場としたと考えられます。
磁気異常が最も強く現れるのが押戸石(頂上石)だそうで、裏側の宇宙神ベルのペトログリフがある周辺をチェックしてみました。
ゆるやかに方位磁針が動きました!
場所によって方位磁針の揺れ方が異なるため、波動が強いポイントを探すのが面白かったです。
【おまけ】西原村のペトログリフ探索
熊本空港から高千穂へ向かう途中、俵山交流館「萌の里」という道の駅のような施設へ立ち寄りました。
11月上旬に訪れたので、コスモスを楽しむことができました。
しかしここへ来た目的はコスモスではなく、ペトログリフです。
萌の里の向かいにある馬頭公園(小さな丘)に、ペトログリフが刻まれた巨石群があるという情報をネットで見つけたものの、その情報は古く詳細は不明。
私の愛読書「ペトログリフが明かす超古代文明の起源」にも馬頭公園の記載はありましたが、具体的にどの岩に刻まれているかという情報はありませんでした。
どうやらペトログリフの案内看板があるらしいので、現地で探してみることにしました。
しかし。。。
どこにも看板がありません。(涙
柵に囲まれた巨石群があったので、たぶんこの中にあるのかな?
おそらく柵の中は立入禁止だと思うので、柵の外から巨石をじーーっと観察してみました。
…が、そう簡単にペトログリフが見つかるはずもなく。
丘の頂上に小さなお堂があり、そのあたりもいろいろと探してみましたが、それらしい形跡は見あたりませんでした。
結局ペトログリフの収穫ゼロ。
熊本旅行からしばらく経った頃、再び馬頭公園のペトログリフについてググってみると、「ペトログリフの石が盗まれた」という記事を見つけました。
あーーー、だから看板が撤去されていたのか!
旅行前にその情報を知りたかった。。。
ちなみに馬頭公園のある地域は、阿蘇郡西原村といいます。
九州は「原」を「ばる」と読むことが多いので、てっきり「西原村=さいばるむら」だと思い込んでいましたが、正しくは「西原村=にしはらむら」でした。笑