こんにちは、ネコリテです。
今回は温泉旅行で付着した硫黄臭の洗濯方法をお伝えします。
サクッと解決方法だけを知りたい方は、【結論】からご覧ください。
温泉旅行のネガティブなお土産
温泉臭は通常の洗濯では落ちない!
明礬温泉から帰宅し、スーツケースから洋服を取り出すと異臭が。。。
『温泉の硫黄臭が付いたんだな』
この時は温泉臭の大変さを知らず、普通に洗濯をしていました。
翌日クローゼットを開けると、なんとドブのような匂いが充満!
匂いの元は、旅行中に着ていた洋服でした。
この洋服はワイドハイター(酸素系漂白剤)で一晩つけ置きし、洗濯をしましたが、匂いは取れませんでした。
後日また洗濯をしようと思っていたら、クローゼット内にドブ臭をまき散らすという惨事。(泣
そこで強力消臭を謳っている、洗濯用の消臭剤を試すことにしました。
しかし消臭剤の種類がたくさんあり、どの製品が温泉臭に効くかわからなかったので、まずは家庭用洗剤の大手2社のメーカーへ問い合わせてみました。
2社からの回答をまとめると、
- 40℃程度のお湯で洗う
- 酸素系漂白剤を使う
- 洗濯用の消臭剤を使う(ただし温泉臭への効果は不明)
残念ながら、これといった解決策は得られませんでした。
さらにネットで調べると、クリーニングでも温泉臭を完全に消すのは難しいらしい。。。
何回か洗濯をして、少しずつ匂いが取れるのを待つしかないのかな。
ひとまずドブ臭のするクローゼットには、ペット用に使っている最強消臭剤を置いておきました。
消臭剤を設置した翌日はまだ臭かったですが、3日目頃からクローゼットの匂いが消えていきました。
他の衣類へ匂い移りをする前に、対策できて良かったです。(ホッ
実は【硫黄】は無臭だった!
普通の洗濯で温泉臭は取れないため、匂いの元を化学的に除去していく作戦でいくことにしました。
温泉臭との戦いに備え、まずは「敵」を知ることから始めました。
掃除で言うところの「油汚れにはアルカリ性の洗剤、トイレには酸性の洗剤が効果的」みたいな感じで、敵の性質を調べてみました。
今回の敵は、温泉特有の腐った卵のような匂い。
一般的には「硫黄の匂い」「硫黄臭」などと表現されますが、実は硫黄自体は無臭なのだとか。
匂いの元は硫黄と水素の化合物、硫化水素(りゅうかすいそ)でした。
この2つは見た目が全く異なり、硫黄は黄色い固体、硫化水素は無色の気体になります。
硫黄 いおう | 硫化水素 りゅうかすいそ | |
---|---|---|
元素記号 | S | H2S(硫黄+水素) |
形状 | 黄色い固体 | 無色の気体 |
匂い | 無臭 | 腐った卵のような匂い |
水への溶けやすさ | 溶けにくい | 溶けやすい |
簡単に例えると【硫黄=コーヒー豆】【硫化水素=コーヒー】で、コーヒー豆はあまり匂いがないけど、お湯と混ざることで香ばしいコーヒーの香りが漂う、みたいな感じだよ
匂いの原因は【硫化水素】であり、pH(ペーハー/ピーエイチ)は酸性になります。
このpHを特定することが、匂い除去にはとても重要!
消臭の秘訣は「酸性」と「アルカリ性」
液性 pHを調査
温泉は泉質によって、アルカリ性のものもありますが、私が入った温泉は酸性の硫黄泉でした。
【泉質】酸性・含硫黄―単純温泉
【掲示用の泉質】硫黄泉
酸性である硫化水素(匂いの元)を消すには、アルカリ性の洗剤で中和させるのが効果的。
…のはずですが、洗剤メーカーから酸素系漂白剤(ワイドハイター等)を勧められました。
家庭用洗剤のpHは、パッケージに表示されている【液性】で確認でき、わが家で使っているワイドハイターは「酸性」でした。
なぜ酸性の匂い除去に、酸性の洗剤を勧めたのだろう?
もしかするとpHに関係なく、「ニオイ成分を物理的に落とす」ことを目的としているのかもしれません。
ただ実際にワイドハイターでつけ置きしましたが、温泉臭にはあまり効果は感じられませんでした。
気になったので他の酸素系漂白剤を調べてみると、液体と粉末では主成分やpHが異なることが判明!
酸素系漂白剤の成分 | ワイドハイター | オキシクリーン |
---|---|---|
液体タイプ 酸性 | 過酸化水素 | 過酸化水素 |
粉末タイプ 弱アルカリ性 | 過炭酸ナトリウム | 過炭酸ナトリウム |
同じ製品名でも液体の主成分は過酸化水素(酸性)で、粉末は可炭酸ナトリウム(弱アルカリ性)という、全く別モノでした。
わが家のワイドハイターは液体なので「酸性」ですが、粉末のワイドハイターは「弱アルカリ性」。
主成分の過炭酸ナトリウムは水に溶かすと「過酸化水素」と「炭酸ナトリウム(炭酸ソーダ)」になるよ。しゅわしゅわと発泡するのがこの洗剤の特徴だね
洗濯洗剤についてよく耳にする、「液体洗剤より粉末洗剤の方が汚れ落ちが良い」という話。
これは粉末洗剤が弱アルカリ性であるため、衣類の主な汚れである皮脂に対して高い洗浄力を発揮するからだったのですね。
今回の温泉臭に使った洗剤は「中性」、漂白剤は「酸性」だったので、そりゃ【つけ置き+2回洗濯】をしても匂いが取れないはずだ。。。
他に家にあるもので、温泉臭除去に使えそうだったのは、セスキ炭酸ソーダ。
粉末は「弱アルカリ性」で、液体スプレーは「アルカリ性」でした。
意外にも、液体スプレーの方が強力でした。
pH早見表
硫化水素は「酸性」なので、酸素系漂白剤を使うなら、液体タイプよりも弱アルカリ性の「粉末タイプ」の方が効果を期待できるかもしれません。
「かもしれない」という曖昧な表現になってしまいましたが、実体験をもとに言うと「酸性」では温泉臭を消すことはできませんでしたが、「アルカリ性」での洗濯はまだ行なっていません。
先にネタバレをしますと、アルカリ性の洗剤を試す前に、あるアイテムを使って温泉臭を消すことに成功しました!
【結論】コレを使って温泉臭が消えた!
魔法の消臭スプレー
温泉臭の洗濯方法を調べている中で、「硫化水素の消臭」に効果があるという業務用の消臭剤を見つけました。
ずっと気になっていたのですが「衣類に使って大丈夫?色落ちしない?」という不安や、「試したいけど量が多い」などの点で迷っていました。。。
しかし洗濯だけでは道のりが遠そうだったので、硫化水素への効果がはっきりと明記されているこちらの製品を一度試してみることにしました。
原液タイプはAmazonで売っていなかったので、取り扱いがあった希釈タイプ「300mlのスプレー2本セット」を購入。
本当は1本だけ欲しかったのですが、つけ置きで使うことを考えると、2本でも問題ないかと思いました。
まずは衣類の色落ちや、シミにならないかをテストします。
実験台にしたのは、首回りに強めの温泉臭が付いている服。
スプレーの液体は、透明無臭でした。
黄色い枠の中にスプレーをし、匂いを嗅いでみると…
マジで!? 温泉臭が消えた!
たった数秒で匂いが消えました。
そのまま1時間放置し、服の様子を確認すると…
スプレーした箇所は乾いており、色落ちやシミなどはなく、匂い戻りもありませんでした。
つけ置き不要で、スプレーだけで温泉の匂いを取ることに成功♪
その後スプレーした服は洗濯をしましたが、匂い戻りなどはありませんでした。
クローゼットの服が…
消臭スプレーの安全性を確認できたので、他の温泉臭が付いた服にも使うことにしました。
「酸素系漂白剤つけ置き+洗濯」では全く匂いが取れず、クローゼットにドブ臭を充満させた服たち。。。
クローゼット自体は強力消臭剤のおかげで無臭になりましたが、服は相変わらず臭いまま。
…だったのですが、2週間ぶりに服を確認すると、匂いがかなり消えていました!
ほんのり残っていた温泉臭は、消臭スプレーで対応しました。
自然に匂いが散ったのか、それとも強力消臭剤が吸い取ってくれたのかはわかりませんが、「時間が解決する」という方法もアリかもしれません。
【まとめ】硫黄泉で服に付いた匂いを取る方法
<最も効果を感じた方法>
硫化水素に対応した消臭スプレーを匂いが付いた箇所に噴霧
<洗濯だけで匂いを取るポイント>
- 酸素系漂白剤は粉末タイプ(弱アルカリ性)を使用し、40℃のお湯でつけ置きする
- 洗濯洗剤も弱アルカリ性の製品が望ましい(硫化水素が酸性なので)
- 一度で匂いが取れない場合は、何度かチャレンジ
<長期戦で匂いを取るポイント>
- 2週間くらい服をハンガーに掛け、匂いが自然に散るのを待つ
- 周囲に匂いが充満するので、ベランダに干すなど、他の衣類への匂い移りに注意する
<温泉臭の予防策>
- 硫黄泉(特に乳白色の温泉地)はできるだけ避ける
- 旅先で温泉臭がついた服はビニール袋に入れ、旅行バッグの他の衣類に匂いが移らないよう工夫する
- 複数回の洗濯に耐えられる丈夫な服や、最悪の場合捨てても良い服を選んで着用する