こんにちは、巨石好きなネコリテです。
今回は岐阜県瑞浪市と御嵩町の境にある巨石の景勝地「鬼岩公園」へ行ってきました。
巨石が立ち並ぶ独特の景観が魅力のスポットですが、実際に歩いてみると、想像以上にハード!
「公園内の散策」と思っていたら、ほぼ登山のようなハイキングになりました。
この記事では鬼岩公園の駐車場や混雑状況、巨石巡りのコース、実際に歩いてわかった靴選びのポイントなど、写真たっぷりで紹介します。
さらに鬼岩公園の名前の由来にもなっている「関の太郎」の伝説についても、現地の案内板をもとに深掘りしてみました。
鬼岩公園の駐車場・入口・混雑状況
駐車場と混雑状況
鬼岩公園は、岐阜県瑞浪市と御嵩町の境に位置しています。
駐車場は、国道21号線沿いにある鬼岩ドライブインを利用しました。
ドライブインはかなり寂れた印象で、建物は残っているものの、店舗の多くは営業していない様子でした。
ここで注意したいのがトイレです。

公園内のトイレは使用禁止になっているので、出発前にこのドライブインで済ませておくと安心です。
ドライブインのトイレは新しくきれいで、快適に利用できました。
今回訪問したのは9月下旬の平日、午前10時台。
駐車場はガラガラで停めやすかったです。
鬼岩公園も貸し切り状態だったので、静かな環境で巨石巡りを楽しめました。
鬼岩公園の入口はどこ?
鬼岩公園の入口までは、駐車場から徒歩5分ほどです。

歩道橋を渡ってしばらく進んで行くと、鬼のお面がある入口のような場所が見えてきますが、そのまま先へ進みます。

さらに進むと橋があり、その先が鬼岩公園の入口です。

入口には小さな夫婦滝があり、滝つぼは池になっていて、鯉が泳いでいました。

橋には日除けが設けられ、9月下旬でしたが風鈴が飾られていました。

風情のある景色に、これから始まる散策への期待も高まります。
【行き】蓮華岩・烏帽子岩巡りコースで巨石を満喫
どの散策コースがおすすめ?
鬼岩公園には、3つの散策コースがあります。


iPhoneで鬼岩公園の公式サイト鬼岩温泉観光ナビを開くと、セキュリティ警告が表示されることがあるよ。その理由はURLが「http」で始まっているアドレスだから。最近は通信が暗号化された「https」で始まるアドレスが主流なので、それ以外を開く時はiPhoneが「安全ではない」とみなしてしまうんだ。iPhoneで「http」のサイトを見たい時は、この警告画面で「続ける」を押すと見られるよ

それぞれのコースを簡単に紹介すると、次のとおりです。

① 渓谷・岩巡りコース 片道約30分
② 臼岩・展望台巡りコース 片道約40分
③ 蓮華岩・烏帽子岩巡りコース 片道約20分
鬼岩公園の散策コースは「公園内をのんびり散策する」という雰囲気ではなく、どちらかと言えば登山に近く、行きは上り坂、帰りは下り坂が中心です。
特に②と③は坂がきつめ。
登山(特に下り坂)で膝を傷めがちな私は、できるだけ負担の少ないコースを選びたいところ。
一方で、せっかくならいろんな景色も楽しみたいので、行きと帰りは別のコースにしたい。
というわけで、こちらのコースを選びました。
- 行き:坂はきついものの距離が短い
③蓮華岩・烏帽子岩巡りコースで上る - 帰り:坂は比較的ゆるやかで距離が長い
①渓谷・岩巡りコースで下る
今回の散策のゴールは、鬼岩公園を代表する巨石「蓮華岩」です。

鬼滅の刃に登場する「一刀石」に似ていることから、「鬼の一刀岩」とも呼ばれ、数年前は鬼滅ファンでにぎわっていたようです。
2026年現在、私が訪れた時には鬼滅ブームも落ち着いた様子で、静かに自然散策を楽しめました。
巨石がゴロゴロ!蓮華岩を目指して登る
散策コースの入口には、公園の維持費への協力を呼びかけるポストがありました。

今回は100円を入れて出発です。
入口から少し進むと、道が2方向に分かれています。

直進すると①渓谷・岩巡りコース、左の上り坂を進むと今回歩く③蓮華岩・烏帽子岩巡りコースです。
道中には巨石がゴロゴロ!

石と石の間を通り抜けるような道もあり、巨石好きにはたまりません。

また栗の木が多く、訪問時の9月下旬は栗がたくさん落ちていました。

季節感のある景色を楽しめる一方で、坂の傾斜はなかなかのもの…。
この傾斜を下るとなると膝への負担が大きそうなので、上りコースに選んで正解でした。
鬼岩公園は「公園内を気軽に散策」ではなく、ちょっとした低山登山。
運動不足の私には、とても良い刺激になりました。
蓮華岩とパノラマ景色を楽しむ
入口から20分ほど歩いた頃に、二手に分かれた階段が現れました。

右側の石の階段を上ると、「蓮華岩休憩所」という東屋があります。

休憩所の奥には巨石があり、

この巨石を上った場所から、蓮華岩と開放感のある景色を楽しめました。

蓮華岩は、上から見ると蓮の花のように見えることが名前の由来だそうです。
鬼の一刀岩
続いて、案内板に従って蓮華岩のある場所まで下りて行くと、巨石がひしめき合うエリアに到着。

大きな岩に囲まれた空間は、まるで別世界に迷い込んだかのようでワクワクします。
ここで「鬼の一刀岩」の迫力を楽しむことができました。

余談ですが、コースマップを見て一つ気になったことがあります。
コースマップには、蓮華岩と一刀岩は別々の岩として描かれていました。

しかし「蓮華岩=鬼の一刀岩」と紹介されており、同じ岩を指しているはずなのに、コースマップでは2箇所になっていることが謎でした。
現地を歩いて確認してみたものの、この謎は解けないままでした。
【帰り】渓谷・岩巡りコースで冒険気分を味わう
渓谷・岩巡りルートの特徴
帰りは、①渓谷・岩巡りコースを下ります。

行きに歩いた③蓮華岩・烏帽子岩巡りコースとは、足場の様子が異なっていました。
③は「石の階段」が多かったのに対し、こちらは「土の階段」が中心です。

また、橋や通路には「金属板」が使われているのも特徴でした。

金属板は苔が生えている場所も多く、雨の翌日などは滑りやすそうな印象でした。
坂の傾斜はゆるく、比較的歩きやすいコースでした。
見どころがいっぱい!
渓谷・岩巡りコースにも、見どころがたくさんあります。
下りでまず最初に見えるのが、落ちそうで落ちない御智那岩。

そして10~11月には紅葉の名所となるもみじ橋。

他にも大きな木が生えた巨石や、

思わず「ここを通るの?」と感じるような、狭い岩の隙間を通る道もあります。

次々と変わる景色にワクワクが止まりません!
一般的な山道とはひと味違い、巨岩が密集するエリアならではの、冒険心をくすぐられる魅力的なコースでした。
岩屋の奥に鎮座する「関の太郎」
渓谷・岩巡りコースでもうひとつ見逃せないのが、「関の太郎」の岩屋です。

関の太郎は、鎌倉時代に鬼岩公園内の岩穴に住んでいた「鬼」として伝説に残っています。
園内にある岩穴はガイド付き有料ツアー(予約制の岩穴くぐりイベント)となっていますが、唯一この岩屋だけは自由に入ることができます。
さっそく中へ入ってみると……


奥には関の太郎が鎮座していました。
薄暗い岩屋の奥に鬼がいる光景は、どこか畏怖を感じるような、ちょっと怖い雰囲気でした。
伝説によると、関の太郎は悪行を重ねた末に討伐されましたが、その後は福鬼としてよみがえり、厄払いをすると言われています。
鬼岩公園はスニーカーで大丈夫?
鬼岩公園はスニーカーでも散策できますが、滑り止め効果の高いトレッキングシューズがあると安心です。
訪問前は「公園の散策にトレッキングシューズは大袈裟かな?」と思っていました。
しかし実際に歩いてみると、トレッキングシューズを履いてきて正解だったと感じました。
そう思ったのは、次の3箇所です。
蓮華岩・烏帽子岩巡りコースの石の階段

蓮華岩・烏帽子岩巡りコースには、石の階段が多くあります。
苔が生えている場所もあり、足を滑らせないよう注意が必要です。
展望スポットの巨石

蓮華岩を上から眺められる展望スポットでは、巨石の上り下りがあります。
運動神経ゼロの私にはちょっとだけ勇気が必要だったので、トレッキングシューズを履いていて安心感がありました。
渓谷・岩巡りコースの金属製の歩道

渓谷・岩巡りコースには、金属製の歩道や橋が多くあります。
苔むしている箇所もあり、滑りやすそうな印象でした。
鬼岩公園は「公園」という名前から気軽な散策をイメージしがちですが、実際には起伏のある山道を歩きます。
このような足場を歩くことを考えると、スニーカーであれば、滑りにくさを重視したものがおすすめです。
関の太郎伝説を深掘り!鬼岩公園と首塚で異なる伝承
鬼岩公園の案内板「鬼人岩屋由来記」
鬼岩公園を歩いて気になったのが、「関の太郎」の伝説です。
古代・神話マニアの私は「鬼=海外から渡来した人々」という解釈を思い浮かべてしまいます。
最初は「関の太郎」もその類かと思っていましたが、舞台は古代ではなく「鎌倉時代」でした。
さらに現地の案内板を読んでみると、興味深いことがわかりました。

案内板「鬼人岩屋由来記」によると、関の太郎は凶暴な刀鍛冶見習いとあり、「鬼」ではなく「鬼のような人間」でした。
なるほど、だから「鬼人」なんですね。
内容を整理するとこんな感じでした。
(間違ってたらすみません)
●鬼の誕生と悪行
昔、美濃国・関の町に太郎という刀鍛冶の見習いがいました。生まれつき気性が荒く、あまりの乱暴狼藉ぶりに町を追われ、鬼岩公園の岩屋に住み着きました。
その後も放火や強盗を繰り返し、住民や旅人を苦しめていました。
●討伐の命令と難攻不落の岩屋
太郎の悪行が都に伝わり、後白河法皇から太郎を退治するよう命令が出ました。
地頭の交告源吾盛康が兵を率いて討伐に向かいましたが、岩屋は大きな岩が重なった守りの堅い場所。なかなか攻め落とすことができず、薬師如来に祈願しました。
★地頭:領地の管理や治安維持などを行う役職
★交告:この地方に多い名字「纐纈」の略字。纐纈盛康は源頼朝の家臣
●太郎の改心と最期
旧暦2月10日(現在の4月1日)の祭礼の日、婦女を誘拐しようと岩屋から出てきた太郎は、待ち構えていた兵によって捕らえられました。打ち首に処される際、太郎は改心し、薬師如来の恩に報いて人々に仏の救いをもたらすと誓ったといいます。
●後世への伝承
太郎の首塚は現在も国道21号線沿いに残り、供養が続けられているそうです。
また岩屋の鬼像にお参りすることで、災いを払い、福を招くご利益があるとされています。
御嵩町に残る「関の太郎の首塚」の伝承との違い
実は、御嵩町の国道21号線沿いにある「関の太郎の首塚(鬼の首塚)」にも、関の太郎にまつわる伝承が残っています。
こちらの話も、太郎が乱暴狼藉を働く人間だったという点は同じです。
しかし、討伐までの経緯には違いがありました。
首塚の伝承では、住民が地頭の交告源吾盛康に助けを求めますが、交告源吾盛康は京都にいたため、代わりに4人の家臣を派遣したとされています。
家臣たちは太郎の討伐に苦戦し、蟹薬師に祈願しました。
すると「太郎は女装して祭礼に現れる」というお告げがあり、そのとおりに現れた太郎を捕らえ、斬首することができたそうです。
しかしその首を京都へ持って行こうとしたところ、途中で急に重くなり、一歩も進めなくなってしまいました。
首桶から転がり落ちた首も動かせなくなったため、その場所に埋めたといいます。
これが「関の太郎の首塚」の由来とされ、現在では地の守護神として扱われているそうです。
鬼岩公園の案内板(鬼岩観光協会・瑞浪市)と、首塚の案内板(御嵩町観光協会)を比べると、違いは3つありました。
| 鬼岩公園 | 首塚 | |
|---|---|---|
| 太郎討伐のきっかけ | 太郎の狼藉が後白河法皇の耳に入る | 住民が困り果て、地頭の交告源吾盛康に相談する |
| 討伐を任された人 | 討伐命令を受けた交告源吾盛康が兵を率いて討伐する | 交告源吾盛康は京都にいたため、代わりに4人の家臣が討伐する |
| 太郎を捕まえた経緯 | 祭礼の日に、婦女を誘拐しようと岩屋から出てきた太郎を捕らえる | 祭礼の日に、女装して現れた太郎を捕らえる |
このように大筋は同じでも、細かな設定が異なっています。
伝承には「諸説あり」がつきものですが、瑞浪市と御嵩町という近いエリアに残る話でも、これほど違いがあるのは興味深いところです。
伝承をたどると見えてくる「事実」と「脚色」の境界
今回、関の太郎伝説を調べてみて、改めて感じたのは、言い伝えが伝わる過程で内容が変化していくことの面白さです。
同じ人物について語られているはずなのに、討伐に至る経緯や捕らえられたときの状況が異なっています。
もちろん、どちらの話が正しいのか、現地の案内板だけで判断することはできません。
ただ、こうした身近な伝承でも細部が変わっているのなら、神話や古代史に残る「諸説あり」の背景も、言葉通りのストーリーではないのだろうと改めて感じました。
長い年月の中で、語り継ぐ人によって話が変わったり、解釈が加わったりすることもあるはずです。
まるで、1万人規模で行う伝言ゲームのようなもの。
鬼岩公園の巨石を楽しむだけのつもりが、思いがけず伝承の奥深さにも触れることができました。
巨石の景観を楽しみたい方はもちろん、ローカルな伝説や歴史に興味がある方も、ぜひ足を運んでみてください。